カーシェアリングは利用者が登録したうえで車を選んで運転する形になるため、多くの人がどんな車を利用しているのか、好んでいるのかをデータで集計しやすいという特徴があります。
しかもレンタカーに比べて短時間での利用も多いため、「乗りたい車がなかったから仕方なく違う車を選んだ」といったケースが少ない傾向もあり、利用者が本当に乗りたいと思っているニーズを正確に把握しやすい面もあるのです。
カーシェアを提供している有力なサービスのひとつ「エニカ」は、2018年2月に東京23区を対象に2017年に多く利用された車種を発表しています。
ひとつのサービスに限定されたデータですが、現在どんな車のニーズが高いのかをチェックしていくうえでの有力な参考になるのは間違いないでしょう。
1位になったのはBMWの3シリーズです。BMWは安定した人気を維持しており、3位にも「Z4」がランクインしています。
次いで2位がポルシェの「カイエン」。
4位にトヨタのアルファードが入っています。
意外にランクがあまり高くないのがメルセデス・ベンツで、5位にようやく「Eクラス」がランクインしています。
一方6〜10位になると国産車が多くなります。
6位がトヨタのプリウス、7位が日産のエルグランド、8位はMINIの「MINI、9位に再びBMWが入って「1シリーズ」、そして10位がトヨタの「ノア」です。
この順位を見ても、やはり輸入車が安定した人気を獲得していることがうかがえます。
カーシェアの魅力のひとつとして自分では購入できない高級車・輸入車を乗る機会に恵まれるという点がよく挙げられますが、このランキングからは多くの人がそのメリットを堪能している様子がうかがえるでしょう。
それにしてもBMWの強さは特筆するべきもので、日本人の中でこのメーカーへの憧れや人気の高さをうかがうことができます。
一方、国産車はプリウスやエルグランドなど、日常の利用に適した車種が強い傾向が見られます。
ですから「せっかくなので輸入車で特別な機会を楽しむ」人と、「幅広い用途に利用できる手軽さ」を重視している人で志向が2分されている傾向も見て取れます。
当然、用途によっても選ぶ車の基準が異なってくるのでしょう。
ただ「どうせ安く乗れるなら高級車を」という志向は、多くの人に共有されているといってもよいかもしれません。
このあたりはサービスによって取り扱っている車に違いもあるので断定することはできませんが、このランキングからは現在のカーシェアを巡る状況をうかがい知ることができるのではないでしょうか。