カーシェアリングサービスの普及は年々進んでいますが、いったいどんな人たちがおもに利用しているのでしょうか。
昨今は若者の車離れなどと言われていますが、若い世代もカーシェアリングを利用しているのかどうか、そのユーザー層を調べてみました。
カーシェアリングに関する調査は、いくつかの企業や団体が独自に行っています。
そのなかで比較的最近行われたものでは、カレコ・カーシェアリングクラブを運営する三井不動産リアルティが2017年に発表した調査結果が興味深いです。
調査時期は2016年12月で調査人数は約6,000人であり、カーシェアリングサービスの認知度と実際の利用率を調べました。
その結果によると、認知度は2013年からずっと92%という高い水準を推移しています。
では、実際に利用した人の年齢と性別を見てみましょう。
利用率で最も高い数値を示したのは、20代の男性で15.7%でした。
次いで、30代の男性が15.0%で第2位という結果です。
また、タイムズカーシェアを運営するパーク24株式会社の発表によると、タイムズカーシェアの会員の約半数は都市部に住む20〜30代の若者とのことでした。
都市部ほど、自家用車の保有には税金、保険料、駐車場代など多くのコストがかかるため、その負担がないカーシェアを利用する傾向にあります。
他の調査の結果を見ても、上で見た結果と同じように、20〜30代の若い世代がユーザー層の中心であることがわかります。
また、カーシェアリングを利用したことがあるという若者にその理由を尋ねると、「車を運転する良い機会になるから」という声が他の世代を圧倒していました。
自家用車を保有していない若者も、カーシェアリングの利用を機に購入を検討するようになったという意見が多いです。
これらの調査結果からわかることは、若者の車離れとは言っても、実際は若い世代の多くが車に乗る機会を求めているということです。
実際、免許取得率も若い世代が特に低いということはありません。
車の保有にかかるさまざまなコストが、車離れが進んでいると感じられる原因ではないでしょうか。
カーシェアリングがもっと普及すれば、車は購入するものから必要なときだけ利用するものへと変化していくことも考えられます。
いずれにせよ、これからのカーシェアの発展は、若い世代が担っていることに間違いないでしょう。
(2019年現在)